AE86レビン クラッチマスター レリーズ修理
AE86 レビン LSD組付け

LSDの効きが弱かったので取外して点検することにしました。
外したLSDは、TRDの前期シャフト用でした。
特に異常は無かったので、LSDをオーバーホールすれば効くようになりますが、効きの強いクスコのLSDに交換することにしました。
AE86 ミッションブロー オーバーホール

新品の純正部品が用意できる場合は、新品ギヤをそのまま組付ます。
今回は、破損した2速ギヤと3速ギヤを中古品に交換しました。
ギヤ自体に破損が無く再使用する時や、生産中止で手に入らない場合は、スリーブと噛合う部分の歯先が鋭角になるようにヤスリで削って
修正します。
この部分は、スリーブとの接触で歯先が丸くなってしまっています。
シフト操作では、スリーブがスライドし、シンクロリングを介して最終的に噛合う部分なので、ここが丸くなっているままだと、シンクロリングとスリーブを新品に交換しても、シフトフィーリングが悪く、しばらく走行するとギヤ鳴りが発生したりする事があります。

ギヤ内側のニードルベアリングにミッションオイルを塗りつけて、
加工した2速ギヤをシャフトに組付け、スムーズに回ることを確認します。
新品のシンクロリングが嵌るギヤのコーン部にもミッションオイルを
塗ってからシンクロリングを取付けます。

1-2速のハブスリーブを圧入して、1速ギヤを組付けます。
メインシャフトのセンターベアリングは新品に交換しました。
この時点で、スリーブを手で動かし、1速ギヤと2速ギヤにスムーズにスライドすることを確認します。

5速ーR のスリーブは新品に交換しました。
スリーブの5速ギヤ側は、スリーブ先端の状態が良く、シンクロリングの交換だけでも良さそうでしたが、反対のリバースギヤ側は、スリーブ先端の消耗が激しく、角がなくなり丸くなっている状態でした。
AE86のリバースギヤにはシンクロナイザーリングがもともと使われてないので、シフトするたびにスリーブ先端とギヤ本体がガリガリいいながら噛合います。
そのため、スリーブ先端とリバースギヤの噛合い部分は消耗が激しく、消耗がすすむと、リバースギヤへのシフト操作が 極端に悪化してしまいます。

5-Rのスリーブとキーを新品に交換してハブを圧入します。
リバースギヤ本体のスリーブとの噛合い部分も丸く消耗していた為、新品ギヤに交換したいのですが、部品が生産中止となってしまったので、丸くなった部分を鋭角になるよう加工して再使用しました。

5速ギヤへ新品のシンクロリングを組付けてシャフトに取付ます。
5速ギヤとリバースギヤを手で回してみて、スムーズに回ることを確認したら、新品のリヤベアリングを圧入し、スピードメータードライブギヤを取り付けます。

3速シンクロリングと3-4速スリーブは新品に交換して組付けました。
破損してしまった3速ギヤは生産中止で部品供給が無かったので、中古のギヤを用意して、スリーブとの噛合い部分を鋭角に加工し組付けました。

インプットシャフトのベアリングは新品ベアリングに交換しておきました。
インプットシャフトには4速ギヤが一体となっており、カウンターシャフトを常に駆動しています。
シャフトのスプライン部にはクラッチディスクが取付き、先端はパイロットベアリングで支えられます。
クラッチからの動力をミッションへ伝達するための大事な箇所となりますので、インプットシャフトのベアリングは新品に交換しておきます。

インプットシャフトに一体の4速ギヤ内側にはニードルローラ単体が12個取付くことで、4速のニードルローラベアリングとなっていますので、12個全てを新品に交換します。
このベアリングは、メインシャフト先端にはまり込む部分で、メインシャフトのフロント側も支えています。
インプットシャフトはエンジンがかかっていれば常に回転しているため、車両が停止状態で、ギヤがニュートラルの位置でも、クラッチを切らないかぎり、メインシャフトの先端で常に空転している部分となります。

3-4速のスリーブ・シンクロリング・キーを新品に交換して、ハブをメインシャフトへ圧入します。
新品に交換した4速のニードルローラベアリングにはミッションオイルを塗りつけてからメインシャフトへはめ込み、スムーズに回ることを確認します。
メインシャフトに取付くパーツを全て組み付けた後には、組付けた各ギヤや、ベアリングを手で回してみて、引っ掛かりがなくスムーズに回転する事を確認します。

ブローしてしまった2速カウンタギヤは、カウンタシャフトと一体となっているため、カウンタシャフト本体を交換します。
カウンタシャフトに取付いているリバースカウンタギヤと5速カウンタギヤは再使用するために取外します。
カウンタシャフトのベアリングにガタは無く、再使用出来そうな状態でしたが、ブローしたギヤの細かい破片がベアリング内部に入り込んでいる可能性があったので、新品ベアリングに交換して組付けました。

各部品を組付けたメインシャフトとカウンタシャフトをミッションケースに取り付けます。
ミッションケースを閉じる前に、インプットシャフトを手で回してみて、各ギヤとベアリングがスムーズに回転することを確認します。
また、シフト操作を確認するため、シフトフォークを手で動かし、スリーブをスライドさせて、1速からリバースギヤまで、それぞれのギヤにシフト操作を行い点検します。

組付けたミッション各部に問題が無いことを確認し、ミッションケースを取り付けます。
ミッションケースの取付ボルトは、ボルトの長さが違っていて、取付位置がそれぞれ決まっています。
ミッションケースのボルトを締め付けたら、バックランプスイッチやシフトフォークシャフトのロッキングボールを組付けます。

ミッションリヤシールを新品に交換しました。
プロペラシャフトがささる部分のオイルシールです。
オイルシールが古くなると、ミッションオイルが漏れてきます。
ミッションを降ろさずに、外からでも交換できるオイルシールですが、バラしたついでなので交換しておきました。

ミッションのフロント側に取付く、インプットシャフトのオイルシールも新品に交換しました。
このオイルシールが劣化しオイル漏れをおこすと、漏れたミッションオイルがインプットシャフトを伝って、クラッチに付着してしまいます。クラッチは回転しているので、漏れたオイルはクラッチハウジング全体に飛び散り、クラッチの滑りを引き起こします。
ミッションを降ろさないと交換できない箇所なので、ミッションオーバーホールの際には必ず交換するオイルシールです。

フロントハウジングとリヤエクステンションには、新品ガスケットを介してミッションケースに組付けます。
組み上がったミッションに、シフトレバーを仮止めし、インプットシャフトを回しながら、各ギヤへのシフト操作を行って最終点検をします。
車両に取り付ける前には、レリーズフォークやダストブーツ、クラッチレリーズベアリングを元通りに取り付けます。
AE86レビン プロペラシャフトのセンターベアリング交換
AE86 ミッションオーバーホール

2速ギヤへのシフトアップ・シフトダウンが渋くなってきたのでミッションO/Hしました。
ミッションケースをあけてみると、汚れたミッションオイルがケース内側にこびり付き、シンクロのカスがミッションオイルに浮いている状態でした。
長期間ミッションオイルを交換せずにいると、画像のようにオイルが汚れ、油膜性能が低下しミッショントラブルを引き起こします。

調子の悪かった2速ギヤです。
スリーブが噛合う部分の山が消耗して丸くなっていました。
AE86では、2速ギヤ・3速ギヤ・リバースギヤに多く見受けられます。
この状態だと、スリーブとシンクロリングを新品に交換しても2速へのシフトフィーリングは改善されません。2速ギヤ本体を新品に交換したいところですが、生産中止となってしまいましたので、丸くなってしまった部分をヤスリで削り鋭角に加工します。