GXE10 アルテッツァ LSD組付け
ノーマルのオープンデフなので、LSDを組付ける事にしました。
デフケースにはデフオイルが垂れてきているので、降ろしたついでにオイル漏れも修理します。
車両から取外したデフASSY。
左側のデフミットシールからデフオイルが漏れてきています。
ケースを分解して、ディファレンシャルを取り外します。
リングギヤは再使用するため、ディファレンシャルから取外します。
LSDはクスコのタイプRSを組付けます。
ノーマルデフから取外したリングギヤをLSDに取付け。
デフサイドベアリングは左右とも新品を組付けました。
組付けたLSDをデフケースへ規定トルクで取付け、ダイヤルゲージを使ってバックラッシュを測定します。
デフオイルが漏れてきていたデフミットシールは左右とも新品に交換しておきました。
デフケースのフタを閉じて、サイドフランジを組付けます。
LSDを組付けたデフASSYを車両に取付けます。
デフオイルを入れたらプロペラシャフトを取付けて、エンジンをかけてデフを回し、オイル漏れや異音がないか確認します。
GXE10 アルテッツァ マニュアルミッション換装
オートマチックトランスミッションが壊れてしまい、動かなくなってしまったGXE10 アルテッツァ。
オーナーさんの希望で、マニュアルミッションに載せ換える事になりました。
オートマミッションからラジエターロワタンクにつながるATFクーラー配管は不要となるため取外しました。
ドライブプレートとトルクコンバーターの結合ボルトを取り外します。
とりあえずATミッションを取外しました。
マニュアルミッションへ載せかえるため、ドライブプレートはフライホイルと交換するので不要となります。
ドライブプレートを取外して、バックプレートも取外します。
オートマ用のブレーキペダルは、マニュアル用のブレーキペダルに交換するので取外します。
取外したブレーキペダル。
画像上側がマニュアル用。下側がオートマ用です。
オートマ用とマニュアル用で、幅が全然ちがいます。
ブレーキペダルの左側にクラッチペダルが取付くことになります。
クラッチペダルには、油圧を発生させるためのクラッチマスターシリンダが取付きます。オートマ車には、クラッチマスターシリンダが元々ないので、マスターシリンダを取付けるための穴あけ加工が必要となります。
クラッチマスターシリンダを取付けるためのボルト穴をあけます。
クラッチマスターシリンダをはめこむ穴はホールソーを使ってあけました。
この穴にクラッチマスターシリンダがはまり、先端のロッドが室内のクラッチペダルに連結されます。
中古で用意したクラッチマスターシリンダASSYはオーバーホールして取り付けます。
クラッチマスターシリンダからフルード漏れなどがあると、クラッチの切れが悪化して、シフト操作のたびにガリガリ音がするなどの症状が発生します。
フルード漏れに気づかずに走行し、リザーブタンクが空になってしまうと、クラッチペダルを踏んでもスカスカと軽くなってしまい、クラッチがまったく切れない状態になってしまいます。
クラッチマスターシリンダを分解して、シリンダを洗浄します。
新品のピストンカップキットにはシリコングリスを塗りつけてシリンダに挿入します。
クラッチペダルに接続されるロッド部分を分解。
Cリング ワッシャー ダストブーツを新品に交換。
画像右側がクラッチペダルに接続される部分です。
クラッチペダルを踏み込むと、画像左側のロッドが押され、クラッチマスターシリンダ内のピストンカップが押し込まれることで油圧が発生します。
ロッド部分をシリンダーに押し込み、Cリングで固定します。
ミッション側に取付くクラッチレリーズシリンダも中古部品を使うため、オーバーホールして使用します。
クラッチレリーズシリンダはミッション本体に取付く部品です。
クラッチマスターシリンダからの油圧を受けて作動し、レリーズフォークを介して、クラッチカバーのダイヤフラムスプリングを押し込みます。
クラッチレリーズシリンダに油圧漏れなどがあると、クラッチの切れが悪化して、シフトするたびにガリガリ音がするなどの症状が発生し、最悪の場合はミッションブローにつながってくるので注意が必要な部品です。
クラッチレリーズシリンダを分解すると、シリンダ内部は黒く、
かなり汚れた状態でした。
汚れた状態で使用を続けると、ピストンカップとシリンダの隙間に
ゴミが噛み込んで、フルード漏れの原因となってしまいます。
洗浄したクラッチマスターシリンダ。
洗浄する際に、シリンダ内部に縦キズをつけてしまうと新品ピストンカップを組みつけてもフルード漏れをおこしてしまうので、洗浄するときは縦キズをつけないように慎重に行います。
シリンダ内の洗浄後には新品のピストンカップを組み付けます。
ピストンカップとシリンダ内部にシリコングリスを塗りつけてから
組み付けます。
ダストブーツを交換し組み付け。
オーバーホールしたクラッチマスターシリンダを穴あけ加工をしたボディに取付けて、クラッチ配管を仮止めします。
室内側のブレーキペダルとクラッチペダルを取付け。
フライホイル裏側に取付くバックプレートは、オートマ用がそのまま使えそうでしたが、不具合などで後で交換する事になると、再度ミッションを降ろすことになるので、念のためマニュアルミッション用に交換しました。
クランクシャフトのリヤ側にパイロットベアリングを取付けます。
オートマには不要なベアリングですが、マニュアルミッションでは、インプットシャフトの先端がこのベアリングで保持されます。
クラッチディスクとクラッチカバーを取付け。
クラッチは純正新品を取付けました。
クラッチレリーズベアリングも新品に交換。
降ろしたオートマミッションとマニュアルミッションを並べて形状の違いを比べてみます。
マニュアルミッションのシフトレバーが取付く部分が上に盛り上がっていて、ボディ側に干渉しそうな形状をしています。
ミッションマウントは形状が同一で、そのまま使えそうです。
ミッションとエンジンを結合して、ジャッキで少しづつ上げていくと、シフトレバーの取付く部分がボディに干渉してしまいました。
ミッションとボディが干渉しないように、ボディ側を削ってからミッションマウントを取付け。
外気が車内に入ってこないように、シフトレバーの下側へスポンジを貼り付けてからダストブーツを取り付けました。
バックランプスイッチには、オートマのインヒビタハーネスからの電源をとることができましたが、スピードメータードリブンギヤからのハーネスは、メーター裏側まで引きなおしました。
プロペラシャフトはオートマ用とマニュアル用で、全長が違い、マニュアルミッション用が長くなっています。
クラッチマスターシリンダへクラッチフルードを入れて、クラッチのエア抜きを行います。
クラッチレリーズシリンダからエアを抜いて、クラッチペダルの踏力がでるのを確認し、クラッチフルードの漏れがないかを点検します。
シフトレバーを取り付けた車内にコンソールを取り付け、スピードメーターハーネスを加工したメーターASSYも元通りに取り付けます。
エンジンを始動して、クラッチを切り各ギヤへシフトして不具合がないか確認します。