AE86トレノ レストア中
車両から取り外したホーシング。
デフのピニオンシールからデフオイルが漏れてたので、フランジを外してオイルシールを交換しました。
このオイルシールが劣化し、デフオイルがもれてくると、ボディやマフラーにデフオイルが飛び散ってしまいます。
下廻りのパーツにはオイルが付着していたり、長年の汚れが堆積してますので、取外したパーツを高圧洗浄機で洗い流します。
エンジンが取付くメンバーは汚れが特にひどく、漏れてきたエンジンオイルやパワステフルードが付着して、細かい砂利や砂などが堆積していました。
ドンガラになった室内も洗浄機で洗い流します。
室内は思った以上に汚れていて、洗浄機を使って洗い流すだけで結構綺麗になります。
また、フロア表面をきれいに洗い流すことで、小さなサビ穴や、細かいクラックなども発見しやすくなります。
エンジンルームにはオイル漏れやフルード漏れなどで油脂類がこびりつき、汚れがたまっていました。
ボンネット裏側に飛び散ったオイルなどの汚れもきれいに洗い流します。
ボディ下側のアンダーフロアは走行していると、どうしても汚れてしまう箇所となります。
オイル漏れなどがあった場合は、漏れたオイルがボディをつたって下に垂れ落ち、アンダーフロアに残ってしまいます。
アンダーフロアに残った油分はネバネバしているので、そこにゴミや砂などがこびり付き堆積していきます。
今回は、デフピニオンシールからのデフオイル漏れが、リヤアンダーフロアの広範囲に渡って飛び散っていました。洗浄機で表面の砂やほこりは洗浄できましたが、デフオイルの油分までは落としきれなかったので、パーツクリーナーを使って、飛び散ったデフオイルを洗浄しました。
ボディの洗浄が済んだら、エアブローをして水分を吹き飛ばします。
オイル漏れなどでボディに油分が付着していると、塗装する時に塗料がはじかれるために、塗装がうまくいきませんので、オイルやグリスなどの油分がボディに残っていないかを入念に点検し、残った油分は
パーツクリーナーで洗浄します。
洗浄したメンバーは、エアブローで水分を吹き飛ばします。
通常、メンバーに錆が発生して広がる事はあまり見受けられないのですが、今回は、メンバーの右側が全体的に錆びていました。
クラッチマスターシリンダから漏れたフルードが飛び散ってメンバーに付着し、錆が発生して、メンバー右側全体に錆が広がった可能性があります。
クラッチマスターやブレーキマスターからのフルード漏れを発見した時には、ボディ右側を全体的に水で洗い流した方が良さそうです。
錆を削り落としたら、塗装する前に錆止めを塗りつけます。
サスペンションブッシュ交換
足廻りのサスペンションブッシュには、経年劣化のため亀裂が入っていたので、全てのブッシュを交換することにしました。
ブッシュの側面には全体的に錆が発生して固着していたため、プレスでの抜き取り作業が大変でしたが、無事に全てのブッシュを取外す事ができました。
コントロールアームのブッシュが入る部分は、特に錆がひどい状態だったので、新品ブッシュを圧入する前に、錆を磨き落としました。
クスコの強化ゴムブッシュを組み付けました。
AE86では特に、リヤコントロールアームブッシュの亀裂が多くみられます。
リヤコントロールアームに、ゴムが柔らかいノーマルブッシュを使ったり、強化ブッシュでも亀裂が入ってしまったままで使用すると、
アクセルを踏みこんでリヤトラクションが発生した瞬間にリヤジャダーが起きてしまい、すごく乗り難い車になってしまいます。
強化ブッシュを使用することで、リヤが踏ん張るようになるため、リヤのトラクション性能が向上し、車の動きが大き
変化します。
ホーシングをプラサフ塗装。
足廻りのパーツはホーシングを含め、黒で塗装後にクリヤ塗装を行いますが、下塗りでプラサフを塗装しておきます。
先にプラサフを塗ることにより、塗料の密着性が良くなるので、塗装面の耐久性が向上します。
メンバー プラサフ塗装。
錆止めを塗っておいたメンバーにも下塗りでプラサフを塗装します。
フューエルタンク プラサフ塗装。
フューエルタンク下側には、跳ね石などで塗装が剥がれて、錆が浮いてきていたので、錆止めを塗ってからプラサフを塗装しました。
ついでに、フューエルポンプを取外してタンク内の錆や汚れを点検しましたが、タンクの中はすごくきれいな状態でした。
フロントロワアームやリヤコントロールアームなどのサスペンションパーツにも下塗りでプラサフを塗装します。
バンパーブラケットなど、サスペンションパーツ以外の部品も塗装して組み付けますので、先にプラサフを塗装しておきます。
ヘッドライトカバーやミッションマウントのブラケット、
その他 マフラー取付ブラケットやスタビライザーブラケットなどの細かいパーツも塗装して組付けるので、プラサフで塗装しておきます。
ワイパーアームとワイパーリンクロッドの表面には錆が浮き出てきていたので、錆を磨いて錆止めを塗りつけた後にプラサフを下塗りしました。
室内に取付くブレーキペダル クラッチペダル ステアリングシャフトにも塗装しますので、プラサフで下塗りしておきます。
ブレーキブースター下側には、ブレーキマスターシリンダからのフルード漏れのため錆が広がっていたので、錆を削り落として、錆止めを入念に塗布後 プラサフを塗装しました。
エアクリーナーボックスにも錆が浮き出ていたので、錆止めしてプラサフを塗装しました。
取外したリヤハッチ。
リヤハッチの裏側にも各部に錆が発生して広がっていました。
リヤガラスを取外すと、ガラス取付部下側の腐食が進んでいて、鉄板が腐り落ちて無くなっていました。
リヤガラスのウェザーストリップ内側に溜った水分で錆が発生し腐食が進み、雨漏りの原因となっていたようです。
また、リヤハッチ下の部分には内側に水分が溜りやすく、錆が発生しやすい箇所です。
今回もリヤハッチ内側に錆が広がり、ハッチ外側にも錆が浮き出てきている状態でした。
ボンネット裏側はそれほどサビない部分ですが、今回のボンネットは外周全体に薄い錆が浮いてきていて、特にボンネットリヤ側は錆が広がっていました。
また、バッテリーの真上付近の塗装が剥がれ錆が浮いていた部分は、塗装の下で錆が広がっていたので、塗装面を多めに削って錆止めを塗りつけました。
ボンネットの裏側には、ブローバイガスやフルードなどの油分が付着しています。
塗装する面に油分が残っていると、塗料をはじいてしまうため、しっかりと脱脂してからプラサフを塗装します。
リヤハッチは錆による腐食が酷かったので、錆を削り落とすだけで、予想以上に時間がかかってしまいました。
錆のため腐り落ちていたリヤガラスのウェザーストリップ取付面は、板を貼り付けて修復することができました。
腐食が進行していたリヤハッチ下側は、錆を削り落とし、錆止めを塗りつけてから表面をパテで整え、袋状になっている内側部分には、錆を予防するために、錆止めを吹きつけ後にプラサフを塗装しました。
ボンネット裏側。
下塗で吹いたプラサフは表面が粗いので、ペーパーでかるく磨いてから、後期用の純正ホワイトを塗装します。
ホワイトの塗装後には、上からクリヤーで塗装して仕上げます。
リヤハッチ裏側も後期の純正色で塗装します。
リヤハッチ下側の袋状になっている内側部分には、錆の発生防止のため、入念に塗料を拭き付けました。
ホワイト塗装後にはクリヤーを塗装して仕上げます。
室内のアンダーコートは剥がす予定では無かったのですが、室内の錆を削り落としていく作業で錆を追っていくと、発生した錆が、アンダーコートの下側にも広がっている可能性があったので、結局、全てのアンダーコートを剥がし、錆の発生を確認することにしました。
助手席側のアンダーコートを剥がしてみると、パネルのつなぎ目付近には、ひどい錆が発生していました。
アンダーコートを剥がさずに作業を進めると気づかない場所なので、あやうく見逃すところでした。
バルクヘッド室内側。
クーラーのエバポレターやヒーターコアが取付く部分です。
アンダーコートを剥がしてみると、それほど酷くは無いですが、所々に錆が浮き出てきていて、このまま放置していると錆が広まっていきそうな状態です。
助手席側のアンダーコート下側に発生していた錆は、鉄板の裏側まで侵食していて、表面を削り落としていくと、最終的には穴が開いてしまいました。
鉄板の表面には見えない錆が中で広がっている可能性があるので、かなり大きな面積の鉄板表面を削り落としてから錆止めを塗りつけておきました。
運転席側のBピラー外側に発生した錆は、一見、それ程酷くは見えなかったのですが錆を削り落としていくと、鉄板に穴が開いてしまいました。
予想以上に錆が侵食しているかもしれないので、周りの塗装を広めに削ってから錆止めを塗付しておきました。
運転席側ドア開口部のウェザーストリップがはまる部分には錆が広がっていました。
取外したウェザーストリップの内側にも錆がこびり付いていたので、ウェザーストリップは新品に交換した方が良さそうです。
また、ロッカーパネルの塗装面を触ると、塗装がパキパキと割れてきて、塗装内側には錆が広範囲に渡って広がっていたので、全ての錆を削り落としてから錆止めを塗りつけておきました。
助手席側のBピラー外側は錆の侵食が特にひどい状態でした。
表面の錆を削っていくと、塗装の内側で錆が広がり、かなりの広範囲に錆による侵食が進んでいる状態でした。
侵食が進んだ錆は、ドア開口部とクォーターガラス取付部にも達していて、錆を削り落としていくと、多数の小さな穴が空いてしまいました。
助手席側のロッカーパネルには、特に酷く錆びている部分があり、錆を削っていくと、かなり大きな穴が開いてしまいました。
ドアのウェザーストリップ取付部分にも錆が広範囲に渡って広がっていて、取外したウェザーストリップにはサビサビの鉄板が貼り付いて剥がせない状態になっていました。
室内 助手席側の錆によって空いた穴は、錆止めを塗付後に板を貼り付けて塞ぎ、表面をパテで整えました。
助手席側 ロッカーパネルに空いてしまった大きな穴も、錆止めを塗りつけた後に板を貼り付けてからパテ埋めし、表面を整えました。
錆の侵食が酷かった助手席側のBピラーです。
この部分は思った以上に錆の侵食がひどく、錆を追って塗装表面を削っていくと、塗装の内側では、かなりの広範囲に渡って錆が広がって腐食が進んでいる状態でした。
ドア開口部付近とクォーターガラス取付面にも、塗装内側の錆が発生していて、クォーターガラス取付面は、ほぼ全周の塗装を削り、内側に発生した錆を削り落としました。
運転席側のBピラー。
助手席側ほどではないですが、錆の侵食が酷く、穴が空いてしまっていた箇所です。
穴を塞ぎ、パテで表面を整えました。
錆を削り落として錆止めを塗りつけたクォーターガラス取付部分の表面も荒れている状態なのでパテを使って整えました。
ボディ各部に発生した錆の除去と、穴があいてしまった部分の修復作業までが終わると、塗装作業に移ります。
まずは、下塗りでプラサフを吹付けます。
エンジンルームには、エンジン以外にも多数のパーツが取付きます。塗装の剥がれなどがあると、後で再塗装する事が難しい部分なので、
上塗り塗料の密着性をしっかりと確保するために、プラサフ塗装は入念に行います。
室内をプラサフで塗装。
車室内の塗装は、ルーフとピラーを先に塗ってから側面側を塗装し、その後フロアを塗装していきます。
フロアには凹凸している箇所や奥まっていて塗りにくい場所が多いので、塗り残しがないように注意しながらプラサフを塗装します。
室内フロア リヤ側です。
リヤハッチからの雨漏りで錆が広がっていたスペアタイヤハウスは、板を貼って修復し、亀裂が入っていたリヤシートベルト取付部は溶接して修理することができました。
リヤフロアにも凹凸した部分が多いため、吹き付ける角度を変えて何度も重ねてプラサフを塗装していきます。
ボディ下廻りも塗装するため、先にプラサフを下塗りしておきます。
フロントショックが取付くフロントストラットタワーの内側や、フロントフレームの下側、その他アンダーフロア部分を全て塗装していきます。
下廻り リヤ側
下廻りを白で塗装しました
白で塗装後にクリヤを塗装
リヤ側のホイルハウスもクリヤで塗装しました
フロント側のホイルハウス
エンジンルーム
室内を白で塗って、クリヤを塗装しました。
室内バルクヘッド側
ヒーターやエバポレーター ペダルなどが取付く部分です。
室内フロア
運転席と助手席シートや、シフトレバー サイドブレーキレバーなどが取付く部分です。
錆の侵食がひどく、穴が開いていたスペアタイヤハウスも綺麗になりました。
雨漏りのひどかったサンルーフはバラして点検することにしました。
サンルーフを分解して、ウェザーストリップを取外すと
ウェザーストリップ取付け部分全体に錆が発生してました。
各部の錆を削り落として、錆止め剤を塗布。
錆止め後に塗装して組み付けます。
ウェザーストリップは新品に交換しました。